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収集家憧れの珍しい品から、川原で集めた小石のようなものまで種類やスケールに違いはあっても、大事なコレクションに変わりありません。「コレクションをどう飾るか」を考えることは家づくりでもっとも楽しい部分であると同時に、実用スペースとの折り合いをつけるのが悩ましい問題でもあるでしょう。今回は、コレクションを飾り、活かす家づくりを考えます。 |
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何かと気ぜわしい今の社会のなかで、「家族とほっとできる場」である家の役割はより重要になってきていると言えるでしょう。そういう場を理想の家とするならば、自分にとって、また家族にとって「好きなこと」「大切なこと」は何だろう? と、家づくりの最初に家族そろって語り合い、家づくりのテーマを持つことが大切です。
コレクションとひと口に言っても、陶磁器、書画、布、オモチャなど、種類も大きさも収集している量も様々です。そのコレクションは、飾るだけなのか、使って楽しむのかということを考えましょう。器であれば寸法を測った上で、使うもの、飾るものに分けてスペースを決めていきます(事例3)。また、そのコレクションは誰が楽しむのでしょう。自分ひとりが楽しむのか、家族みんなで楽しむのか、あるいは来客や家のそばを通行する人まで楽しんでもらいたいのか、などを考えて飾る場を決めます(事例1・2・3)。また、「コレクションというのはたいてい増えつづけるもの」という点も考慮し、余裕を持たせた飾りスペース、収納スペースを取っておきます(事例1・3)。
最後に、コレクションはたとえ他の人にとってはつまらないモノであっても、本人にとっては大事な宝物であることを忘れず、家族それぞれの思いを尊重した家づくりをしたいものです。
(原田愛子)。 |
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旅好きのご家族が先々で集められた置物を玄関に飾り、いつも家族が思い出せるようにしたいというご要望でした。道路に直接面する玄関は、閉鎖的で防御的な構えになりがちですが、ここでは学童や近所の人たちが行き交う通り際にあることから、あえて開放的なつくりにしたいという希望もありました。
そこで、玄関を木製のドアと半透明なガラスのスクリーンで構成。ガラススクリーンの棚は外への飾り窓であり、内への明り取り窓にもなっています。時節に応じて飾った玄関は、行き交う人の目を楽しませ、夜、ほのかにもれる灯りと飾り物のシルエットは、通う人の心を和ませてくれます。ご近所の人たちとのコミュニケートを大切にしたいと願う建て主の思いが込められた玄関となりました。無用心さには強化ガラスを用いて対処しています。
棚のスペースにはまだまだ余裕があり、これからどんなコレクションが加わっていくのか楽しみです。
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| ゲストルームと書斎を兼ねた地下室です。敷地条件から地上は生活空間に限られてしまい、やむなく作った地下室でしたが、大きな壁面がとれたことで、紫外線や騒音を気にせずに絵を鑑賞できる部屋になりました。壁と天井は白のペンキ仕立てにし、インテリアもシンプルなものでまとめて絵画が引き立つようにしています。天井面にはピクチャーレール(重い絵画を吊ることができ、飾る位置も自由に調整できる)、スポットライト、ウォールウォシャー(壁を照らすライト)などを設え、美術館のように時々展示品を入れ替えて楽しめるようにしました。「この壁1枚のおかげで、主人が積極的に絵を購入したり人を招くようになった」と、奥様は喜ばれています。 |
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服飾のデザインとブティックを経営する夫妻の家です。仕事の関係で度々訪れるヨーロッパ、特にイギリスの民家や古い街並みに魅せられ、アンティークの器、家具、絵画のコレクションをされています。「コレクションをふだんの生活に組み込んで、自分たちの好きな空気に包まれて暮らせる家に」という希望でした。
新しい空間の中では古いモノが浮いてしまいがちです。古材や自然素材をできる限り使ってまとめることでアンティークの家具調度が生活空間に自然と馴染むようにしました。リビング・ダイニングは古材の大黒柱をすえ、壁にアンティークのレンガを使い、キッチンの壁の一部にもアンティークタイルを用いています。レンガ壁には絵やタペストリーを飾りたいということだったので、レンガは薄くスライスして使い、後ろに合板を補強して目地に簡単にクギが打てるようにしました。絵画などは余白を残してこそ映えるので、コレクションすべてを飾りっぱなしにしなくても自分で気軽に掛けかえられるように、壁に下地補強をしておくとよいでしょう。造り付けの収納棚はガラス戸とし、陶磁器を使っていないときにも見て楽しめるようにしています。この家の地下室は、ご主人が収集した絵、家具、陶器などのギャラリー兼アトリエです。玄関横の階段からクツを脱がずに下りていけるので、コレクションの搬入や搬出にも便利です。地下へ下りる階段の壁にも自由に絵がかけられるよう、板張りにしてあります。
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企業組合 花設計工房
1972年設立の東京パースを前身に、1988年、女性建築技術者の会を通して知り合った仲間たちにより、企業組合 花設計工房設立。以来、生活に視点を据えて、住宅設計を中心に大工さん、職人さんとのコミュニケーションを密にした現場監理を行っています。「家は買うものではない」でメンバーの意見一致。住み手に合わせて創るものであるはずだと考えています。
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| 原田愛子(はらだあいこ)/1949年山形県生まれ。工学院大学専修学校建築科卒業、建築設計事務所勤務を経て、原田・堀越設計工房開設。その後、花設計工房に参画。女性建築技術者の会会員。 |
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