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家の玄関を一歩入った瞬間、訪れた人は、目から鼻から耳からいろいろな印象を受けます。歓迎の意を伝え、好印象を持ってもらうにはどんな演出や工夫をすればよいのか。
今回は住まいの第一印象について考えます。 |
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事例1
は、玄関ホールの演出例です。建て主の奥さまは雑誌編集者で、普段は忙しく仕事をしていますが、週末にはお客様を招いて食事を楽しむのが趣味です。また、ご夫妻には子供がいませんが、奥さまの妹さんが常に子供連れで遊びに来ます。そこで、訪れた人が玄関を入った瞬間からドラマチックで楽しい気分になれる工夫をしました。
それが玄関ホールのニッチ(niche =壁に凹状にえぐった部分)です。ここに奥さまが趣味で集めている海外の旅の思い出タイルや陶器を飾り、反対側の壁からスポットライトを当てます。このとき、周囲の照明を消して暗くしておくのです。訪問者は必ず1
番目にここに視線が向かうはずです。ニッチに注目していただくためにも、「少し間を置いてからお迎えに出るのも演出ですよ」と、奥さまにはアドバイスしています。
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ニッチは壁を浅くえぐった飾り棚。ニッチの中に照明をつける場合もありますが、このお宅の場合は2m
先の反対側の壁からハロゲン光源のスポットライトを当て、より印象的な演出をしています。 |
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建て主の以前のお宅に初めてうかがい、「こんにちは」とドアを開けたとき、ニオイで犬がいることが分かりました。建て主も「ニオイが気になっている」とのことでしたので、新しい家には脱臭効果のあるペットの部屋をご提案しました。これが事例2
の「ワン・ルーム」です。
1番高いところで1m90cmしかない三角形の小屋裏を利用し、ペットの専用部屋にしました(平面図2
階、図3)。天井面や壁には湿気や臭いを吸収する性質のタイルを全面に貼っています。バルコニー側の窓の対面にはルーバー窓を設置し、通風も確保しました。この部屋だけでなく、玄関を入ったときにもまったく犬のニオイがしない家になりました。犬は種類にもよりますが体臭が、猫はトイレ臭がなかなか完全にはなくせません。ペットがいる場合、換気は大切な条件ですが、さらに壁などに染み込んでしまう臭いや湿気を取り除く配慮をしなければ、さわやかな空気の漂う住まいとはならないでしょう。
このお宅の飼い犬のキャスパー君は昼間ワン・ルームで留守番し、お客さまのときにはバルコニーからお迎えしているそうです。
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2階左の三角形の部分が「ワン・ルーム」。広々としたバルコニーにつながり、犬は、お客さまのときには玄関ではなく、ここからお迎えします。 |
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壁、天井に脱臭効果のあるタイルを貼ったペットの部屋。思いのほか快適な部屋となり、家族も集まる部屋になっています。 |
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企業組合 花設計工房
1972年設立の東京パースを前身に、1988年、女性建築技術者の会を通して知り合った仲間たちにより、企業組合花設計工房設立。以来、生活に視点を据えて、住宅設計を中心に大工さん、職人さんとのコミュニケーションを密にした現場監理を行っています。「家は買うものではない」でメンバーの意見一致。住み手に合わせて創るものであるはずだと考えています。
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| 渡会有子(わたらい・ゆうこ)/1940年中国・青島生まれ。中央工業学校建築設計科を経て、花設計工房に参画。NPO
高齢社会をよくする会(WAY21)代表。 |
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