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暗い、寒い…と、住まいの北側は人気のない、そして人気のない部屋になりがちです。
でも、家の半分は北側に面しているわけですからこれを有効に利用しない手はありません。
今回は住まいの北側を快適空間にする工夫を紹介します。 |
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築74年の蔵が残っている郊外の住宅です。ふだんは82歳の母親が1人で生活していますが、週末には都会から娘夫婦が帰ってきます。娘夫婦は数年後には仕事をリタイアし、この家での3人の生活が始まる予定です。
そこで、北側にあるキッチン横のダイニングを、お母様が1人で食事をするときにも寂しくない眺めのよい空間になるようリフォームしました(図1)。南からの光を浴びて輝く、自邸の大木や、隣家の南側の植え込みなどを見ながら、贅沢な気分で食事ができます。また、北側の部屋なので外気との温度差を吸収するように腰と天井は杉板張りにしました。全部を板張りにすると、板の色によっては暗くなるうえに節などが見え視覚的にもうるさくなるので、上部は白い壁のルナファーザー(木のチップを埋め込んだ呼吸する素材)にしています。両サイドの窓を開放すれば風が南から北へ抜け、とても居心地のよいダイニングになりました。
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北側にあるダイニング。食堂テーブルにはL型のベンチタイプの椅子を配置し、隅にオーディオを組み込みました。ベンチ下は収納になっています。ダイニング横はカウンター付きのキッチン。
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室温が低い
北側を利用した
パントリー |
| 床暖房で家中が暖かいために、キッチンの隣に勝手口を兼ねた食品庫(パントリー)をつくり、漬物や食品を保存しています。臭いを吸収したり湿度の調節ができるように壁は全面
杉板張りにしました。 |
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| 家づくりにおいて、あえて北側にしてほしいと希望されるのが、画家などのアトリエです。北側以外の直射日光が入る部屋では、昼と夜との温度差で絵の具や布の変色・変質がおこりやすく、また光による陰影がつきすぎてデッサンには不向きなためです。ですから、趣味で絵、写
真、陶芸、手芸などを楽しまれる方は、光の方向が一定した北側にアトリエをつくるとよいでしょう。また、物書きなど家で仕事をされる方の場合も、北側の部屋が向いている場合があります。例えば、パソコンを使う場合は光があると見えにくいため、また光や温度などの変化がしばしば仕事の集中力を低下させるため、北側の方が集中できるからです。北側にアトリエや仕事場をつくる場合は、窓の位
置や植栽によって近所からの視線をさえぎる工夫をし、落ち着ける空間になるように心がけます。
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絵が趣味の方のアトリエ
大きな号数の絵を描かれる方のアトリエ事例です。北側に、はめ殺し窓と押し出し窓を組み合わせた開口部をとり、直射日光をさえぎりながら、明るく作業しやすい空間にしました。樹木で近隣の視線を避ける工夫をしています。
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企業組合 花設計工房
1972年設立の東京パースを前身に、1988年、女性建築技術者の会を通して知り合った仲間たちにより、企業組合花設計工房設立。以来、生活に視点を据えて、住宅設計を中心に大工さん、職人さんとのコミュニケーションを密にした現場監理を行っています。「家は買うものではない」でメンバーの意見一致。住み手に合わせて創るものであるはずだと考えています。
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竹田恭子(たけだ・きょうこ)/1941年東京生まれ。東海大学工学部建築学科卒業。菅原建築事務所、飯田建築設計室等を経て独立後、花設計工房に参画。
日本建築家協会会員、高齢社会をよくする会(WAI・21)、女性建築技術者の会会員。 |
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