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森林浴やアロマテラピーに代表されるように、植物に癒し効果があることはよく知られています。たとえ本格的なものでなくても自宅に居ながらにして、樹木を眺めたり草花に触れたりできれば、心身にどれほどよい影響を与えてくれるでしょう。
今回は、植物をいつも身近に感じられる家づくりを提案します。 |
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30代の若い夫婦の小住宅です。急斜面に面した変形の敷地のため、外観上はいろいろな制約がありましたが、何といっても西側の斜面に広がるダイナミックな雑木林が魅力的でした。そこで、この西側の雑木林の景色を最大限に取り入れて自然と一体になれるようなプランづくりをされました。1階の台所、浴室、2階の寝室の窓から雑木林を堪能できるように窓の位置と大きさが考えられています。春には桜が、秋にはもみじが美しく、まるで額縁で切り取られた絵のようです。
防犯上の問題のない2階の寝室の窓は、横長にできるだけ大きくとりました(図1)。共働きで忙しいご夫婦にとって、寝室は寝るだけの場所ではなく、休日には景色を眺めながらリフレッシュする空間にもなっています。1階の台所の窓は、居間からも景色が眺められるように、吊り戸棚の位置、カウンターの高さなど、視線をさえぎらないよう配慮されています(図2)。
朝食をとりながら新聞から視線を上げると、いつも自然が目の前にあるというのは、とても贅沢なことです。
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雑木林を借景にできる西側に、夫婦の寝室をもってきました。窓を額縁のように見せるために、カーテンではなくロールスクリーンに。
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ダイニングテーブルに座っても窓の外の景色がさえぎられないよう、収納の戸棚の位置やカウンターの高さ、壁の切り方など細かい配慮がされています。上部はトップライトのある吹き抜けで、広がりが感じられます。
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| 1階の居間の引戸を引き込むと、居間・ホール・階段が一体の空間に。2階のL字型バルコニーは、共働きの夫婦が休日に布団を何枚も並べて干せるようにという希望から、変形の土地に合わせて長い欄干をとったものです。寝室からバルコニーへ出る小さなスペースには、大工さん手作りの物干し竿を取り付け、雨の日にも洗濯物が干せるようになっています。
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都会のマンション生活から、リタイアされて地方に戻られた60代のご夫婦の家です。“素直な家(自然な家)”というコンセプトで設計されました。奥様は植物、特に山野草がお好きで、南側の広い庭を初めとして四方に植物を育てられるスペースをとりました。
また、東北の角に位置する浴室前には小さな坪庭を設けています(図3)。ここは隣家と近いため、目隠しの木の塀で囲われていますが、通風と採光が取れるように張り方を工夫してあるため、植物が元気良く育っています。閉じた印象の強い坪庭ですが、この坪庭は東側からも北側からも通り抜けられるようになっているため、気軽に植物の手入れをすることができます。キッチンの勝手口と近いので、水遣りの動線も短く便利です。
竣工から5年たって訪れたとき、“まずお風呂に入ってください”と勧められたのですが、見事に白い花をつけた空木(うつぎ)が坪庭いっぱいに育っていました。昼間ゆとりを持ってお風呂の時間を楽しむとき、こんな素敵なお庭があったらなんと幸せなことでしょうか。
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| 坪庭の3方を、大和張り(板を交互に重ね合わせて打ち付ける手法)にし、腰の位置から下は通り抜けられるように。風と光が抜け、植物にとっても草花の世話をする人にとっても快適な空間になっています。
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企業組合 花設計工房
1972年設立の東京パースを前身に、1988年、女性建築技術者の会を通して知り合った仲間たちにより、企業組合 花設計工房設立。以来、生活に視点を据えて、住宅設計を中心に大工さん、職人さんとのコミュニケーションを密にした現場監理を行っています。「家は買うものではない」でメンバーの意見一致。住み手に合わせて創るものであるはずだと考えています。
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| 桧垣葉子(ひがき・ようこ)/1948年東京生まれ。女子美術大学芸術学科造形学卒業。アルフレックスジャパン、レーモンド設計事務所、小川設計を経て花設計工房に参画。女性建築技術者の会会員。 |
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