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盆栽は、日本が長い年月をかけて育んできた伝統文化。
特に今、草盆栽が幅広い世代から人気を集めています。
この夏は、繊細な佇まいが清涼感をよぶ草盆栽に、挑戦してみませんか? |
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「盆栽」の“盆”は鉢を、“栽”は植物を意味しています。普通の鉢植えが、単に植物の美しさを楽しむだけなのに対し、盆栽は“植物と鉢との調和した美しさ”を観賞するもの。鉢の中に木や草を植えて、その姿形で、森や林など自然の情景を表現するのです。 |
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盆栽の素材としては松類が代表的ですが、花もの・実もの・葉ものなど種類は多様。なかでも、草ものを素材とした草盆栽は、見る人を、山道や野原で草花を眺めているような気分にさせ、室内に和みの情景をもたらします。また、四季折々で違う表情を見せるため、お客さまを迎えるハレの日の特別なグリーンインテリアとして、その存在感をさりげなく発揮します。
散歩道で見かけていた草花を、いつも目の届く所に飾っておける喜びに、ぜひ触れてみてください。 |
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根洗い仕立て
ダイニングテーブルを涼しげに彩るフウチソウ。 |
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草盆栽は、鉢に仕立てるのが一般的ですが、なかでもユニークな楽しみ方として「根洗い仕立て」と「豆鉢仕立て」をご紹介します。
「根洗い仕立て」は、根全体をコケで美しく覆われた植物を陶板や皿に置いたもので、清々しい佇まいが魅力。食事をするリビングやダイニングなどに飾ると、爽やかな気分にさせてくれます。
一方「豆鉢仕立て」とは、直径5cmほどの小さな鉢に植物を植え込み、盆栽にしたもの。これらを何個か組み合わせて、ひとつの世界を作ってみると面白いかもしれません。
こうした鉢や陶板などの質感や組み合わせによって、色んな風に演出できるのも、盆栽の特長です。遊び感覚でオブジェと一緒に飾るなど、自分らしいコーディネートを楽しみましょう。
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根洗い仕立て
庭で楽しむティータイムのテーブルに飾る、爽やかなコタヌキランとウツボグサ。 |
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豆鉢仕立て
洗面台の片隅に、海のワンシーンを演出。左に置いた豆鉢には、若草色に印象的な朱色の葉が混じったオトギリソウとヒナソウが。ガラス皿の豆鉢は、左からトウバナ、右はシダの仲間、手前はコケオトギリソウ。。 |
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向いている素材は山野草。植え換えせず鉢の中で2〜3年培養し、根がいっぱいになったら取り出す。やがてコケが根全体を包み込み、風情ある姿となる。あらかじめ土の上にコケの生えたものを選んでおけば、短期間で完成する。 |
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向いている素材は、背丈の大きくならない、細かい葉の山野草。植え換えてしばらくは大きな鉢の中に豆鉢ごと入れて育てる。3〜5ヶ月したら鉢の底穴から伸びている根を切り、大きな鉢から取り出す。水はけがよく、乾きやすいので、こまめに水やりを。 |
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根洗い仕立て
ダイナミックに葉を広げるゼンマイを床の間に。オリエンタルなスタイルの五徳に載せてアレンジし、和のフォーマルな空間に遊び心をプラスしています。 |
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鉢は、デザインよりも、これから植える植物が、その鉢の中で伸びやかに育っていけるかどうかを重視して選んでください。植物の多くは、春の芽出しから季節の移ろいと共に葉を伸ばし、大きくなります。そのぶん、水も栄養分も沢山必要になるため、少し大きめの鉢をあてがってやりましょう。
飾るときは、まず鉢の汚れを落とし、底の鉢穴から伸び出ている根を切ります。見苦しいと思われる雑草、枯葉なども取り除き、全体のバランスを整えてください。鉢は直接置くと、家具を傷めることもあるので、木製の敷き板やガラス板などを用意しましょう。
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飾る場所としては、なるべく温度差がなく、換気のよいところが理想的。電化製品の上や、ストーブやエアコンの周りは不向きです。夜間は外気に当て、植物を疲れさせないよう思いやってください。
また、乾燥にも注意。特に豆鉢仕立てや、植え換え直後のものは乾きやすいので、まめに水やりを。窓際に置く場合は、日の当たる面の乾きに気を付けましょう。葉にホコリが付いた場合は、ジョーロで洗い流してあげてください。
植物を買うなら、購入後も気軽に相談でき、適切なアドバイスを受けられるお店を探しましょう。そういうお店は、植物の管理にも信頼がおけるものです。
育てる側の細やかな心配りと愛情によって、その清楚な美しさが磨かれる草盆栽。あなたのとっておきを見つけて、可愛がってあげてください。
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写真提供= メディアファクトリー『盆栽ガーデニング』(加藤文子・著)
写真= 新田健二 |
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加藤 文子 Fumiko Katoh
大宮市盆栽町出身。四代にわたる盆栽一家に育つ。父は日本を代表する盆栽作家で、「八雲曼青園」当主・加藤秀男氏。秀男氏のもとで10年の修行の後、盆栽作家として独立。現在は陶芸家の夫・小沼寛氏と那須に移り、エッセイや絵画、ジャンルを超えた企画展など、様々な分野で活動中。
著書に『盆栽ガーデニング』『盆栽ガーデニングU』(メディアファクトリー)、『草と木の小さな鉢』(文化出版局)がある。
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