京都での深井さんの顔は、京都服飾文化研究財団のチーフ・キュレーター。衣装の展覧会を企画し、開催していくのが主な仕事です。
「子供の頃から洋服は好きで、母が中原淳一のスタイルブックを持って洋服の仕立てに行くのについていって、一緒に作ってもらっていた憶えがあります。大学では服飾史を学んだけれど、それを仕事にという積極的な思いはなく、挫折ばかりしていましたね(笑)。ソルボンヌで美術史を学んだのも大学を卒業してからしばらくたってから。パリでは展覧会をたくさん見る機会があって、あぁ展覧会を企画する仕事って面
白そうだな、ファッションが好きだから美術とファッションをつなぐ仕事ができないかと思うようになりました」
深井さんがパリから帰国した1970年代後半は、三宅一生、高田賢三など日本人デザイナーがパリを舞台に一大ブームを巻き起こし始めた頃。深井さんは「これから日本はファッションの世界が面
白くなりそうだな。デザインの世界では彼らがリードしているけど、ファッションを客観的に見ていく仕事なら私に向いていそうだ」と感じ、ちょうど設立されたばかりの京都服飾文化財団に飛び込みます。以来20年、「モードのジャポニスム展」など多くの衣装展覧会を国内外で成功させてきました。
「長い間ファッションを見てきて思うのですが、日本は戦後まず手っ取り早くきれいに見せるために“衣”だった。次は“食”、ものすごい食ブームが続いていますよね。でも衣食が足りて、次のステップとしてこれからはもっと住むことに目を向ける時代になる気がしますね。すでにその兆しは見えてると思いますが」
過ごす時間は短くても、自分のテイストでまとめた心地よい家。そこでエネルギーを蓄え、深井さんはまた重いトランクを手に世界を駆け回ります。
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書斎横のコーナー。地階とは言っても庭が見える明るいこの場所は、1日中書斎にこもって原稿を書くことの多い深井さんにとって、「夕方、軽く食前酒などいただきながらホッと一息つく」そんなコーナーとなっています。室内にも手のかからない観葉植物を置いて。 |
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| 「モード(流行)を先見できるのは、歴史がよく分かっているから」という深井さん。膨大な資料が知識の奥深さを物語ります。 |
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| 1階に上がるらせん階段。もっぱらご主人と2匹の猫が使用。 |
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| ダイニングからキッチンを眺める。カウンターには木が使われていて温かみを感じさせます。「美味しいものは力になる」が深井さんの哲学。 |
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