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著名人が語る「私のこだわり空間」28


ゲストを楽しませる家

おもてなしの心でデザインされた住まい ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノさん

華やかな社交家であり、TVタレント、そして実業家としての顔も持つデヴィ夫人。そのお住まいには「おもてなしの心」が凝縮されています。
サンルーム ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
庭の一部に増築したサンルームは明るく居心地のいい空間。夜は周囲をライトアップして、星空に囲まれたようなしゃれた雰囲気に。
おもてなしのお料理や趣向など、すべて自分で考えます。ディナーの後はこのサンルームで話が弾みますね。

2階全体をゲストのためのエンタテインメントに

1階がオフィス、2階がお客様をお迎えするパブリックスペース、3階がプライベートスペース、そして屋上テラスという構成のデヴィ夫人のお宅。世界中のセレブリティとの交遊はもちろん、プライベートでもビジネスでもゲストをお迎えすることの多い夫人にとって、住まいとはくつろぎの空間であると同時に、大切な社交の場でもあります。

「この2階は、ゲストのためのエンタテインメントとしての空間。ご一緒する時間を楽しんでいただくことを第一に考えて、デザインしています」

その言葉どおり、2階全体に、ゲストをおもてなしする心、気遣いと工夫、そして夫人ならではのエレガンスが随所にうかがえます。

とくに、2階のいちばん奥に位置するサンルームは、夫人のアイディアでリビングルームからつなげて庭に増築したもの。それまでは、庭のその場所にはバーベキュー設備があったそうです。

「でも、暮らし始めて1年間、1度も使わなかったんですね。それなら、きっと次の年も使いません。ちょうどリビングルームをもう少し広く取りたいと考えていましたし…」

というわけで、自然光溢れるガラス張りの空間に。ニューヨークでも愛用していた家具を配して、リビングルームの延長でありながら、よりいっそう開放感と明るさを演出できたのは、まさに夫人のイメージどおりだったそう。

「昼間はもちろんですけれど、夜も星空が見えたり静けさを感じたり…。時間の流れが違うというか、私だけでなくゲストのみなさんも本当にくつろいでくださるので、とても嬉しいですね」

吹き抜け ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
吹き抜けに絵画を配した個性的な演出。あえて直視する位置を外しながら、誰もが自然に見上げるスペースで、絵画が必ず目に留まり、しかもスペースが華やぐという配慮から。

外観 ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
閑静な邸宅街の一角をしめる3階建て。手入れの行き届いた植栽の緑とレンガが調和してシックな佇まい。



この家は購入してから内装を私流に変えました。
玄関 ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
玄関を入ると左手にサロン。ゲストは、もてなしの進行とともにこの廊下を奥に進む。

玄関ホール ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
曲線を生かして設計された、吹き抜けのある広々とした玄関ホール。奥のドアを開けるとウェイティングルームが。

ライフスタイルに合った住まい探しは難航

2000年に日本に本拠を移した当初、デヴィ夫人は借家住まいで、ほかにオフィスも借りていたといいます。

「家賃や契約のこと、狭さもそうですが、事務所と住まいを行き来する時間が何よりももったいないと思いまして…」

メディア出演や講演・執筆活動だけでなく、会社経営者としても多忙を極める夫人らしい、合理的な考えがあっての住まい探し。でも簡単ではなかったそうです。

「眺望のよい高層マンションをはじめ、ずいぶん探しました。日本の住環境は理解できますが、何といっても天井が低くドアや窓が小さい、さらに収納が少なくて困りました。シャンデリアを吊る高さがなく、大きな家具が入口から入らない。洋室なのに押入れになっていて、大きなものを収納する倉庫的スペースもないですしね」

やっと見つけたこの家は、オフィス、住居、車庫、倉庫など、十分な広さを確保できること、便利な都心にありながら閑静な環境であることも、決め手となりました。

「構造自体はほとんど変えずに、内装を大きく変えました。玄関はすっきりとした印象に。カクテルをいただいたり懇談したりするサロンは、華やかでエレガントな空間に。ダイニングルームは外国からのゲストの方にも和の心を感じながらディナーを楽しんでいただけるように、もともとの日本間をいかしたしつらいに。ブッフェパーティーならダイニングとリビングをつなげて使えるように配慮しました。そしてサンルームは食後の語らいを楽しむためのゆったりした空間に…」

インドネシア時代から愛用の調度や、パリやニューヨークで求めた家具やお気に入りの品々が、夫人の美意識というフィルターを通して各部屋に配され、それぞれ目的にあった個性的な表情を演出しているのは、まさに圧巻。見ているだけでもワクワクさせられます。

著作の数々 ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
ウェイティングルーム ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
デヴィ夫人の著作の数々。また化粧品会社を経営する夫人が、こだわりを持って手がけている化粧品や健康食品など。 来客が重ならないように、玄関脇に設けたウェイティングルーム。正面には、韓国の著名な工芸家の手になる象嵌(ぞうがん)が美しい家具を配置。


「東洋と西洋の融合」を意識しながら、各室に個性を持たせています。

家中に溢れる花と緑から、エネルギーを受ける

そしてもうひとつ、お住まい全体の印象で際立つのは、植物の存在。どの部屋もどの空間にも、視線をめぐらすとたくさんの花や緑があることに気づきます。

「美しいもの、とくにお花は大好き。花と向き合うと無心になります」という夫人は、仕事で疲れて深夜に帰宅したときでも、贈られた大量の切花の活け換えに2時間も没頭することがあるとか。

「そんなときはアランが、花より、あなたが少しでも眠らなくては…と心配してくれるのですけど、私は植物からものすごいエネルギー、生そのものを受けている気がして、逆に元気になれるんです」

植物であれ動物であれ、生きているものから「生」を受け癒される。だからこそ生きているものに愛情を注ぎ慈しむというデヴィ夫人。その気持ちが夫人のライフスタイル全体に、そしてお住まい全体に貫かれていることに、改めて気づかされます。

ご自宅なのに、ゲストへのおもてなしを第一にすれば、ご自身がリラックスできないのでは…と最後に聞いてみると、「お客様をいかに楽しくおもてなしするかが、私の生きがいであり喜びなんです。そのことで疲れるのではなく、ゲストが楽しんでくださっているのを感じるのがいちばんの癒しになって、元気になれるんです」

ゲストのためのエンタテインメント、おもてなしの空間としての住まいは、「人間」に対する深い愛情から生まれたといえそうです。

ダイニングルーム  ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
もともとの日本間の雰囲気をいかしながら、アジアンテイストの大きなテーブルとチェアをすんなりとマッチさせたダイニングルーム。和洋折衷ではなく東西融合というイメージで。

サロン  ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
18世紀フランスの貴婦人マダム・ポンパドールをイメージしたサロン。優雅なロココ調のインテリアが社交の場を華やかに。

屋上テラス  ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
屋上テラスは、夏には80名ほどのブッフェパーティーも開けるほどの広さで、眺望も抜群。

ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノさん
1959年、インドネシア共和国スカルノ大統領とジャカルタで結婚。1970年にスカルノ大統領が逝去した後はパリに亡命し、社交界の華として“東洋の真珠”と賛美される。インドネシア留学生の支援、世界の少数民族への援助、野生動物保護のための寄付をはじめ、多岐にわたる社会活動を続け、一貫して「命あるものを慈しむ」生き方を貫いている。2000年に帰国後は、TV出演や講演・執筆活動等を精力的にこなし、化粧品会社の経営者でもある。


リビング ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ シックで落ち着いた雰囲気のリビングルームから明るく華やかなインテリアのサンルームへ。増築部分であるという違和感が全くなく、むしろ奥行き間や光のコントラストが2つの空間をより広く感じさせています。またドアを通り抜けることで空間がドラマチックに展開し、リビングルームよりさらにくつろいだ時間が過ごせそう。


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