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ホーム > 暮らしの役立ち情報 > 著名人が語る「私のこだわり空間」 > 花に包まれ幸福を料理する家 料理研究家 山本麗子
著名人が語る「私のこだわり空間」35


花に包まれ幸福を料理する家

料理も庭造りもどんどんイメージが膨らむ家

お料理教室「スウィートハート」を主宰し、TV出演、講演、執筆に活躍される山本麗子さん。信州に移住して13年…花々に包まれたお住まいには、いつも幸福の味と香りが満ちています。
山本麗子
料理教室のときはダイニングとして使う「花見部屋」は大のお気に入り。大きな窓から庭の眺望を楽しめる。愛犬ハッピーと一緒に)。
初めてこの土地を見たとき「あ、ここに来たかったんだ」って…。それで東京を卒業して移住。仕事も生活もすべてが満ち足りている。

自分の庭を作れることが
何よりも嬉しくて

春の信州。料理研究家の山本麗子さんを訪ねました。

別荘や住宅の間を縫う田舎道沿いに、突然現れたのは幻想的な雰囲気さえ漂う桜の園。入り口から伸びる緩やかな坂道の先に、人気料理教室であり、山本麗子さんのお住まいでもある「スウィートハート」があります。

子供の頃から東京で暮らし、頻繁に海外に渡航して欧米の文化や料理への造詣を深めてきた山本さん。その山本さんが信州に移住したきっかけは、友人でエッセイストの玉村豊男さんご夫妻の田舎暮らしでした。信州で農園を営み、自然と一体になって豊かな時間を過ごすその生活に触発され、玉村さん宅のご近所…といっても山ひとつ越えた距離のこの場所へ。  自分の庭が持てる!花が咲き乱れる庭を造りたい…そんな山本さんの夢に応えるように、その荒地には実生の桜が数本。なんと桜は山本さんがいちばん好きな花。そういうわけで話はトントンと進み、家を建て、13年前に移住してきたそうです。

最初は600坪だった土地も、買い足しながら今では1000坪に。桜を増やし花木を挿木したり、花を移植して増やしながら壮大な庭を丹精し、畑を2枚借りて野菜作りも始めてしまいました。

仕事のことを考えれば東京/信州半々くらいが好都合ではと伺うと「私はここへ来るときに、東京を卒業してきたの」とニッコリ。「おいしいレストランも世界中の食材も、何でも手に入る東京…もう十分という時期でしたね。だから生活も仕事も本拠地はここ。仕事が全国スケールに広がって、東京は通過するだけ。たまに旧知のお店などに寄るくらいですね」

水仙 山本麗子
引越し祝いにいただいた300球の水仙を3年ごとに自分で移植。今では1万球が春先に美しく咲きそろいます。

庭 山本麗子
白い壁が庭の鮮やかな色彩によく映えています。



かっこよさはいらない。できるだけ自然のままが美しいと思うの。
ダイニング 山本麗子
築6年目に増築したダイニングルーム。庭に突き出す位置にある、通称「花見部屋」。

庭 山本麗子
数本の実生の桜と自分で植えた桜が今を盛りと咲き誇る庭で。「もう、1日中でも見ていたい」そう。

格好はつけないけれど
こだわりのある住まいに

山本さん宅は1階が仕事場で、中心はやはり大きなキッチンです。サンルームは、山本さんのたっての希望で作ったもの。「寒い地方だし、どうしても欲しかった。でも信州は予想以上に日差しが強くて…」晴れた日は、冬でも暑くて座っていられないと笑います。

1階全体に窓を大きく採っているのは、「1日のほとんどを1階で過ごすので、眺望を楽しみながらつねに気持ちをリフレッシュできるように」という思いから。

そして1階でいちばんのお気に入りは、通称「花見部屋」。移住6年目に、料理教室が手狭になり、出窓だった部分を庭に張り出して増築したダイニングルームです。大好きな庭との一体感を楽しむために、3面に大きな窓を設け、サンルームの教訓を生かして屋根をガラス張りにするのは止めたそう。「桜の頃は1日中でも座っていたい」というだけあって、うっとりするような眺めです。

2階はプライベート空間。とくにこだわったのは寝室で、ホテルのようにベッドから数歩のところにバス・トイレを一緒に設置しています。「これは正解!ものすごく便利だし、年をとった時に階段の上り下りの心配もないでしょ」

かっこよさより自然なままが好きという山本さん。インテリアも木の色、イングリッシュグリーン、白をポイントに、すっきりとまとめるようにしているそうです。


ここで求められる料理を
みんなが求めていた

信州移住でいちばん変化したのは、実は山本さんのお料理。「東京時代は、あまり知られていない料理を紹介したり作ることが料理研究家の役目・使命と、心のどこかで思っていたんですね」

でも、ここで料理教室を始めたら「その材料はどこで買えますか」「簡単に手早くおいしくできる料理は?」という声が多く、信州で東京と同じことをしようとしている自分に気付いたそうです。

そこで地元の新鮮な野菜を使い、シンプルな調理法で作る料理を始めたところ、大評判に。野菜作りも始めたら、折しも世間は野菜ブーム。信州の人たちが望んでいる料理を作ったら、それは日本中が求めている料理だったのです。交通至便とはいえない料理教室に、全国から生徒さんが通ってくる理由が納得できました。

山本さん宅からの帰り道、地元タクシーの運転手さんが「麗子先生の料理はサ、ここら辺りで採れる普通の野菜なんかで簡単にできるのに、旨いんだヨ〜」と教えてくれました。地元TV局の番組で見た料理を、家でよく作るとか。

料理に縁などなさそうな年配男性でさえ、山本麗子さんの料理を語るくらいです。まさに「幸福なレシピ」は作って食べた人に「口福」を伝えているようです。

サンルーム 山本麗子
寒い土地でも、日照率は日本一。サンルームのガラスの向こうは花の楽園、こちら側は南の楽園のような暖かさ。真冬でも暖房要らず。

暖炉 山本麗子
サンルームの奥には暖炉が。火があると不思議に会話が弾む。

キッチン 山本麗子
木の温かみを大切にしたキッチン。天板はこだわりのウッドデコラ製。
薪ストーブ 山本麗子
お料理教室のシンボルになっているカナダ製の「スウィートハート」という名前のキッチン用薪ストーブ。


料理研究家 山本麗子
1947年生まれ。'78年からお菓子&お料理の教室「スウィートハート」を主宰。'94年に長野県東御市に移住。地元はもちろん全国から生徒が通ってくるほど、その料理のおいしさと明るく親しみのある人柄にはファンが多い。TV出演、講演、執筆など精力的に活動を広げ、著書の「101の幸福なレシピ」(講談社)はすでに20数版を重ねるベストセラー。


リビング 山本麗子 かっこよさを求めず、こだわりを持つ。それを形にするにはどうするか。山本麗子さんの答えは、庭と住まい、庭と自分の自然な一体感を大切にしたライフスタイルです。「仕事も庭造りも大好きなことだから、1日中やっていても飽きないし、楽しいから遊んでいるのと同じでプレッシャーやストレスはないですよ」という、山本さんらしいお住まいでした。


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